民進党の蓮舫代表は「統率力不足」を理由に、代表辞任を電撃表明した。唯一最大の後ろ盾だった野田佳彦幹事長の辞任で、後任探しが難航。新たな執行部新体制の骨格が見通せず、万事休すとなった。

 蓮舫氏の続投が前提だっただけに、民進党の混乱は避けられない。党は党員・サポーターの参加の代表選を検討しており、早ければ8月下旬に行われる。候補には、昨年の代表選を蓮舫氏と戦った玉木雄一郎衆院議員ら若手が浮上。一方、「今は非常時だ」(党中堅議員)との観点で、前原誠司元代表や枝野幸男元官房長官らベテランの参戦が有力だ。前原、枝野両氏とも出馬に意欲的とされるが、旧体制感は否めない。体制刷新を求める勢力との主導権争いになれば、党分裂に発展する恐れもある。

 一方、自民党では、安倍首相の政権運営が揺らぐ中の蓮舫氏退場に、早期の衆院解散・総選挙を求める声が浮上。民進党の新体制が整わず、小池百合子都知事と連携する勢力が結集する前に、早ければ10月22日の衆院2補選に合わせた衆院選を支持する声がある。

 与野党第1党ともに足元が揺らぐ、異例の展開。「一気に政界再編が進むのでは」との見方も出ている。