公式戦29連勝の新記録を樹立した将棋の最年少プロ、藤井聡太四段(15)が4日、大阪市の関西将棋会館で指された王将戦1次予選決勝で先手の菅井竜也七段(25)に敗れ、2次予選進出を逃した。プロ3敗目となり、通算成績は34勝3敗となった。

 菅井は現在、第58期王位戦7番勝負で羽生善治王位(46)に挑戦中で第2局まで終わり、2連勝している。これまで藤井が戦ってきた相手の中でも最も実力と勢いがある相手だった。菅井の玉を深く堅く囲う「穴熊」に対して、藤井は序盤戦から先に仕掛けていったが、終盤は相手の鋭い攻めに押し切られた。

 終局後、藤井は「途中から一直線の展開で、はっきり負けにしてしまった。本局は完敗です」と振り返った。

 菅井は藤井の印象について「1局やっただけでは分からない。でも終盤が強いと思っていた」と話した。

 将棋の8大タイトルで、藤井が本年度中に獲得の可能性があるタイトルは「棋王」のみとなった。棋王戦では6組優勝し、24日に挑戦者決定トーナメントで、豊島将之八段との対局を控えている。