東京・上野動物園で6月12日に誕生した雌のジャイアントパンダの名前の公募が11日までに締め切られ、ウェブ上だけで22万通以上の応募があった。来月末ごろに発表される赤ちゃんパンダの名前はどんなものになるのか。上野のパンダのふるさと、中国四川省の「臥龍中国パンダ保護研究センター」と連携し、パンダ保護を進める日本パンダ保護協会の斉鳴(さい・めい)事務局長(53)と、同協会会長で3月まで上野動物園長だった土居利光さん(66)に思いを聞いた。

 3月まで上野動物園の園長だった土居さんは、「今回は絶対問題ないって言っていたんです。2頭の生殖機能も活性がよく、交尾もよかった。本当によかったと思いました」と笑顔を見せた。5年前の雄の赤ちゃんは生後6日で死んだ。誤嚥(ごえん)性肺炎だった。「シンシンの抱き癖もあり、片方の母乳の出方が悪く、赤ちゃんの育ちが良くなかった。今回は母乳もよく出ている。ほっとしています」。名前公募の盛り上がりに「願いは日中友好、平和。動物に国境はない。覚えやすい、親しまれる名前になってほしい」。

 上野動物園によると、名前の公募にはウェブだけで22万通の応募があった。86年のトントンの際には園内と郵便投票だけで27万3000通、88年のユウユウは12万通だった。今回の園内、郵便投票の応募数は現在集計中だが、29年ぶりの赤ちゃんパンダの名前の公募だけに、初の試みだったトントンの募集数に迫り、追い越す勢いだ。

 日本パンダ保護協会は、四川省の臥龍パンダ保護研究センターの日本唯一の窓口。名誉会長は黒柳徹子が務める。中国から来日した上野の歴代パンダは全頭が臥龍がふるさとだけに、同省出身の斉さんは「国内のパンダでも、特に上野の子はわが子のような思い」という。

 斉さんは、臥龍で生まれた子供時代のリーリーとシンシンをよく覚えている。「リーリーは小さくて孤独で、1頭で草を食べていた。シンシンはきれいな丸顔でよく食べて強かった。2頭は小さい時から仲が良くて、一緒に遊んでいました」。

 その2頭が自然繁殖で東京で生んだ女の子だけに、赤ちゃんへの思い入れは強い。斉さんは「私は『桜桜(インイン)』と応募しました。上野といえば桜。魯迅も著作で上野の桜に触れており、中国も含め、国際的に知られています。上野で生まれた女の子ということを強調したい」。

 赤ちゃんの名前は、選考委員会の検討や、音や漢字について中国側と協議した上で、生後100日前後の9月末に発表される。【清水優】

◆日本パンダ保護協会 在日中国人、日本人有志が提唱し、臥龍中国パンダ保護研究センターや在日中国大使館の支援で02年に設立。臥龍のパンダのえさ代や医療費などを援助する里親制度などを通じてパンダ保護活動を行う。一般会員約250人。東京都中央区築地。土居利光会長。