公式戦29連勝の新記録を樹立した将棋の最年少プロ、藤井聡太四段(15)の進路が注目されている。来年4月、高校に進学するか、将棋1本に専念するか、近く決断が迫られる。藤井が憧れの存在と公言し、同じく14歳でデビューした谷川浩司九段(55)が日刊スポーツの取材に応じ、学業両立の難しさを語った。藤井は今日15日、王位戦予選で小林健二九段(60)と対戦する。

 中学生最後の夏休みを迎えた藤井は「強くなる機会」と語り、将棋の研究に没頭している。現在、愛知県有数の進学校である名古屋大学教育学部付属中学3年生。中高一貫校のため、受験なしで付属高に進学できるが、高校進学か、将棋1本にすべきか迷っている。

 同じく14歳の中学2年でデビューした谷川は、高校進学時に「かなり迷いましたね。中学だけでいいのではという気持ちもありました」と振り返った。中学生棋士になると、学業との両立のハードルも高くなった。「遠征の対局もあり、学校を休む日も増えます。授業を受けなければ理解できない科目もある。社会や英語などは時間をかけて覚えなければいけない」。