前線を伴った低気圧の影響で、北海道、東北、北陸では25日、大雨が降った。秋田県大仙市では雄物川が氾濫、全国の花火師が技を競い毎年70万人以上が訪れる「第91回全国花火競技大会(大曲の花火)」の会場が一時冠水した。25日午後にはひざ下ほどまでに水が引いたが、観覧席のある河川敷のトイレなど一部施設が倒れるなどの被害も発生。市職員らが復旧作業に追われた。開催の可否は今日26日朝に判断するという。

 大仙市では雄物川が市内3カ所で氾濫。福部内川も氾濫の恐れがあり、369世帯833人に一時避難指示が出た。花火大会会場は雄物川の河川敷で、桟敷席3万席の「ほとんど全部が氾濫した川につかってしまった」(大曲商工会)。大仙市には「予定通り行われるのか」という問い合わせが全国から寄せられた。

 大曲の花火大会は「日本3大花火」の1つとされ、毎年約70万人が訪れる。95年の第69回大会でも雄物川が氾濫し、会場が冠水したが、土曜開催を翌週水曜開催に延期して実施した結果、「観客数が6割程度になった」(商工会)。チケットの払い戻しは行っておらず、商工会では「全国からいらっしゃるお客さんのためにも、トイレなどの復旧を急ぎ、なんとか予定通り開催したい」としている。

◆日本3大花火大会 大曲花火大会のほか、長岡まつり大花火大会(新潟県長岡市)、土浦全国花火競技大会(茨城県土浦市)が“3大花火”とされる。長岡は今月2、3日に開催され、2日間で約103万人が集まった。土浦は10月7日に開催される予定。