北朝鮮を訪問していたアントニオ猪木参院議員(74)が11日に帰国し、東京・羽田空港で会見した。北朝鮮で会談した朝鮮労働党NO・2の李洙墉(リ・スヨン)副委員長が、3日に行った6回目の核実験で大陸間弾道ミサイル(ICBM)用水爆実験が成功したと発表した件に、国連安保理の新しい制裁決議案も踏まえ「米国が圧力を加え、国際社会(国連安保理)が制裁を加える限り、我々は実験を続け、技術を開発し、強固でレベルの高いものにしていく」と語ったと明らかにした。

 その上で昨年9月の訪朝時に行われた5回目の核実験の際、北朝鮮が水爆の実験に既に成功していたと証言。そして6回目の核実験について「日本が発表した数字と大分違う…向こうが手元に持っていた数字はすごい強力」と開発が進んでいることを示唆した。

 猪木氏は8日に朝鮮労働党本部で李氏と1時間15分会談し、水面下で日本の政党から訪朝の意向を伝えられたことも話したという。その政党について「ずばり自民党という名前を出させてもらった。政権与党の自民党がどう決断するか、ということ」と語った。訪朝議員団の結成についても、受け入れに前向きな回答をもらったという。

 猪木氏は同日、空路で平壌を出発し、経由地の北京国際空港で記者団の取材に応じ、李副委員長が北朝鮮の核・ミサイル開発について「最後の目標まで頑張る」と述べたことを明らかにした。「最後の目標」は、水爆を搭載したICBMの実戦配備を指している可能性がある。【村上幸将】