民進党の前原誠司代表(55)は27日、捨て身の決断をした。党所属の衆院議員らが、小池百合子東京都知事(65)が代表の新党「希望の党」に公認申請し、同党から出馬することを認める方針を固めた。事実上の合流だ。多くの議員が「駆け込み」に動くとみられるが、党内には「禁じ手」との異論も強い。一方、小池氏にとっては、両党合流で選挙基盤が整う。この日の結党会見では否定したが、電撃辞職→衆院選出馬が、現実味を帯びてきた。

 小池氏が代表を務める「希望の党」のメンバーは27日午前、都内で設立会見を開いた。「日本をリセットする」と冒頭で強烈な言葉を使用。「しがらみのない新しい政治」「国民に希望を届ける」とイメージの良い言葉を並べた。小池氏の側近、若狭勝衆院議員ら国会議員14人も出席。全国で100人規模の擁立を目指し、安倍政権の批判票の受け皿を狙う。

 小池氏が衆院選に出馬する見方もある中「知事任期をまっとうする理解で良いか」と問われ「あくまでも都知事として、希望の党の代表として戦いに臨んでいく」と強調も「任期まっとう」には触れなかった。

 その「二足のわらじ」について早速、不安視される事態が起きた。小池氏は冒頭発言とわずか2問の質疑の後、公務のため退席。結党会見という重要な場を中座したことに、細野豪志衆院議員は「知事は『運動靴とヒールを履き分ける』と話していた。みんなで補う」と弁明。神奈川県知事経験がある松沢成文参院議員は「(両立は)激務で私にはできないが、知事は『スーパーウーマン』だからできる」と援護した。

 小池氏は同日夜、都議会後の会見でも「今回の衆院選に出ないのか」と問われ、「都政をしっかりやることと、今回の選挙、日本の今後のあり方についてもやっていきたい」と応答。衆院選に「出ない」との言葉は、やはりなかった。