将棋の最年少プロ、藤井聡太四段(15)が9日、東京・千駄ケ谷の東京将棋会館で行われた第3期叡王戦段位別予選四段戦の準決勝、決勝と連勝。本戦トーナメント進出を決めた。

 午後2時から行われた準決勝の佐々木大地戦(22)は奇跡の大逆転勝ち。新人王戦準々決勝で敗れた相手に一方的に攻め込まれ、投了寸前だった。ところが、佐々木の致命的なミスが出て、劣勢だった局面が一気にひっくり返った。

 午後7時からの決勝では、杉本和陽(かずお)四段(26)の三間飛車からのさばきに対し、上から押さえ込もうとして激戦に。最後はチャンスを逃した杉本に対し、着実に寄せきった。「準決勝はハッキリ負け。勝てたのは幸運だった。決勝は何とか勝てて良かった」と振り返った。

 四段戦は参加19人に対し定数1の狭き門。本戦トーナメントには予選シードの佐藤天彦叡王(29)や、九~五段まで各段の予選を勝ち抜いた格上の棋士15人が待ち受ける。「1つでも上に行けるよう、全力で頑張りたい」と話した。

 叡王戦は今期からタイトル戦に昇格。本戦は16人による勝ち抜き戦で争われ、決勝に進んだ2人が7番勝負を行い、勝者が叡王の称号を得る。