自公VS希望&維新VSリベラル系の三つどもえ戦となった衆院選は最終日の21日、各党首は最後のお願いに声をからした。

 希望の党の小池百合子代表(65)が21日夜、東京・JR池袋駅前で最後の訴えを行った。衆院議員時代の地盤で、昨年7月の都知事選、今年7月の都議選でも、最後はこの地だった。しかし、過去2回の選挙とは違い、逆風だ。

 池袋を含む東京10区から立候補している側近、若狭勝氏(60)も当落線上にいるという、希望結党時の勢いとは正反対の大苦戦。自民党は党を離れ、反旗を翻した小池氏と若狭氏に容赦はなく、池袋には18日に安倍晋三首相、この日は、人気が高い小泉進次郎氏を送り込んだ。

 苦境に小池氏も「都知事選、都議選で勝たせてくれたように今回もお願い! 負けることができない!」と切実に叫んだ。若狭氏は希望の結党前から中心となり、準備に追われ「党の方に時間を取られて、十分な選挙戦ではなかったかもしれない」とフォローした。

 この日、銀座4丁目交差点でも訴えたが「安倍政治に緊張感を持たせるのは、反対ばかりではない建設的な政策だ」と、すっかり野党モードにトーンダウン。選挙戦当初は政権奪取について言及していた。

 小池氏は都知事公務としてこの日夜、羽田空港からフランス・パリへと旅立った。同地では「世界大都市気候先導グループ」の委員会などに出席する。衆院選の投開票日に党首が海外にいるという異例の事態。花の都で選挙結果の会見をするという、「二足のわらじ」を象徴するようなラストとなる。【三須一紀】