年末の風物詩、「『現代用語の基礎知識』選 ユーキャン新語・流行語大賞」のノミネート30語が9日、発表された。1度聞いたら耳から離れない、豊田真由子元衆院議員(43)の「ちーがーうーだーろー!」が候補の一角に入り、豊田氏をはじめ、言動で問題を起こした自民党の「魔の2回生」も登場。政治が混乱した1年を象徴するように、「忖度(そんたく)」を含めた政治のネガティブワードが目立った。年間大賞とトップ10は12月1日に発表される。

 ◆ちーがーうーだーろー!

 豊田真由子元衆院議員が元秘書の男性に浴びせた言葉。6月、「このハゲー」など暴言暴行疑惑が報じられ、先の衆院選で落選

 ◆魔の2回生

 不倫問題や失言、問題行動などを繰り返す自民党の12年当選組を指す。10月の衆院選では苦戦を強いられ落選した議員も多かった

 ◆忖度(そんたく)

 森友学園への国有地売却の問題で、籠池泰典理事長(当時)が記者会見を行い使用した言葉。他人の気持ち(心)を推し量ること

 ◆共謀罪

 テロなど、ある特定の犯罪を実際に行わなくても、現場の下見や、資金の調達などといった準備行為をすることで罪になること

 ◆Jアラート

 人工衛星と市町村の防災無線を使って、地震や津波などの緊急情報を伝える全国瞬時警報システム。北朝鮮のミサイル発射で注目

 ◆働き方改革

 非正規労働者の処遇改善や、長時間労働是正について検討する動き。安倍首相は昨年、「働き方改革実現推進室」を設置した

 ◆ポスト真実

 客観的な事実が軽視され、感情的な訴えかけの方が世論形成に大きく影響する状況を表した新語。昨年、英で注目された言葉

 ◆アウフヘーベン

 小池百合子都知事がよく発した言葉。築地市場と豊洲など、対立する2つの考えをより高い次元で発展させるという意味のドイツ語

 ◆○○ファースト

 7月の都議選で、小池百合子都知事が率いる都民ファーストの会が圧勝し浸透。ファーストと名のつく政治団体や会派が全国で急増

 ◆フェイクニュース

 事実と異なる情報でつくられたニュース。トランプ米大統領がCNNなど一部メディアを「フェイクニュース」と呼び浸透した

 ◆プレミアムフライデー

 毎月最終金曜日は午後3時には仕事を終え、余暇を楽しもうという取り組み。政府と経済界が考案。消費喚起につなげる狙いも

 ◆ワンオペ育児

 1人で仕事、家事、育児などの全てをこなさないといけない状況。夫婦の一方に負担が集中することで、離婚につながるケースも

 ◆ひふみん

 将棋の加藤一二三・九段の愛称。6月に現役を引退したが、テレビでの独特の話しぶりなどが受け、国民的な愛されキャラに

 ◆藤井フィーバー

 将棋の最年少プロ、藤井聡太四段が起こした旋風。最多連勝記録を「29」に更新すると各地で将棋用具の注文が殺到するなどした

 ◆インスタ映え

 PCやスマホ向けの写真共有SNSのインスタグラムに投稿した写真が、映えるだろうと思ったことに使われる表現

 ◆炎上○○

 ブログ、ツイッターなどの発言や報道に批判的なコメントが集中する状態。あえて炎上を狙う投稿や商法も出現している

 ◆ハンドスピナー

 米で生まれたストレス解消用のおもちゃ。今年に入り人気ユーチューバーやブロガーが紹介し、SNSを中心に拡散されて人気に

 ◆うつヌケ

 漫画家田中圭一氏のドキュメンタリーコミックのタイトル。自身のうつ病脱出体験などを

描き、読者に大きな反響を呼んだ

 ◆刀剣乱舞

 DMMゲームズとニトロプラスが共同製作した育成シミュレーションゲーム。ミュージカ

ル化や舞台化、アニメ化もされている

 ◆けものフレンズ

 テレビ東京ほかで放送された人気アニメ。動物が少女の姿になって暮らす動物園「ジャパリパーク」を舞台に、冒険や旅を描いた

 ◆ユーチューバー

 動画投稿サイト「ユーチューブ」に頻繁に動画を投稿する人や集団の名称。小中学生のなりたい職業ランキングでも上位に入る

 ◆AIスピーカー

 無線通信接続機能と音声操作アシスタント機能を持つスマートスピーカーのうち、人工知能(AI)を搭載したもの

 ◆うんこ漢字ドリル

 文響社から小1~小6を対象に出された漢字練習帳。すべての例文に「うんこ」を使ったのが受け、異例のベストセラーに

 ◆GINZA SIX

 4月、東京・銀座にある「銀座松坂屋」の跡地に開業した地域最大の商業施設。241ものブランドが集結している

 ◆空前絶後の

 ピン芸人のサンシャイン池崎が自己紹介で使う言葉。独特のいでたちをしてハイテンションで叫ぶネタで、今年脚光を浴びた

 ◆35億

 ブルゾンちえみの決めぜりふ。「地球上に男は何人いると思ってるの?」と問いかけて「35億」と自分で答え、笑わせ、ブレーク

 ◆睡眠負債

 米国の睡眠研究者らが提唱し、世界的に用いられる考え。毎日の睡眠不足の影響で、能力低下、病気への危険性が高まるとも指摘

 ◆人生100年時代

 英国人リンダ・グラットン氏著「LIFE SHIFT-100年時代の人生戦略」がベース。政府がこの名の構想会議も開催

 ◆線状降水帯

 積乱雲が次々と発生して非常に強い雨を降らせる。7月の九州北部豪雨は、線状降水帯が同じ場所に停滞し続けたことが原因

 ◆9・98(10秒の壁)

 陸上男子100メートル走で、東洋大4年の桐生祥秀が達成した日本新記録。日本人として初めて10秒の壁を突破した