公式戦29連勝の新記録を樹立した将棋の最年少プロ、藤井聡太四段(15)が21日、大阪市の関西将棋会館で指された第66期王座戦1次予選で平藤真吾七段(54)を126手で破り、公式戦通算50勝(未放送のテレビ対局を除く)を達成した。プロデビュー56戦目での50勝到達は、中学生でプロになった羽生善治棋聖(47)を含めた4人(加藤一二三・九段、谷川浩司九段、渡辺明竜王)の中で最速となった。

 藤井が羽生の「記録」を塗り替えた。持ち前の終盤力で逆転勝利した藤井は「全体的には自信のない局面が続いていた。勝ちを意識したのは最後の最後」と振り返った。昨年12月のデビュー戦で、現役最年長記録を持つ加藤一二三・九段(77)に勝ってから無敗を続け、今年6月に新記録を達成。7月には初黒星を喫したが、その後も順調に白星を重ねてきた。大台の50勝に「1局1局指してきたのが節目(せつもく)の数字となりました。感慨深い」と笑顔を見せた。

 中学生でプロ入りした中での50勝は羽生が最速だった。羽生はデビュー後、1年2カ月10日の66戦目。藤井は10戦早い56戦目、プロデビュー10カ月29日での達成となった。もちろん最年少での到達だ。

 これで17年度の藤井の成績は40勝6敗。勝率、対局数、勝ち数もランキング首位を快走中で現在“3冠”。節目の記録を達成した中学生棋士が、これからも白星を重ねていく。【松浦隆司】