通販サイト大手の楽天市場は28日、都内で「ヒット番付2017」の発表会を行った。同サイト内の購買データを元に消費動向や社会情勢を振り返り、今年を象徴するキーワードを番付化したもの。東西の横綱には「ゆとり世代のタイムライン消費」、「アラフォー世代のアルバム消費」を選出した。

 楽天市場のトレンドハンター清水淳さん(43)は「世代によって消費動向が全く違うのが特徴。若い世代はSNSや口コミから新しいトレンドを生み出し、40、50代が青春時代を思い出す消費をした」と分析した。

 ゆとり世代と言われる10代後半から20代では、今年公開された映画「ラ・ラ・ランド」や「美女と野獣」でヒロインが着用した「黄色スカート」が人気を博し、前年比の3・18倍の売り上げを記録した。アラフォー世代では、90年代に流行した商品が話題になった。「NIKEエアマックス95」や「CASIO G-SHOCK」、「スーパーファミコン」などの復刻版が売り上げを伸ばした。清水さんは「注目は若い世代。消費欲が低く、お金を使わないと言われてきたが、全くそんなことはない。彼らが新しい消費形態を作り出している」と話した。

 東の大関には「天才キッズ特需」を選出した。公式戦29連勝の新記録を樹立した将棋の最年少プロ、藤井聡太四段(15)の活躍などで、知育玩具商品全体の売り上げは前年比プラス40%を記録。子どもの持つ可能性を最大限に引き出したいという親の気持ちが表れた。

 来年期待される消費キーワードとしては「逆転の発想」を選んだ。「冬の水着」などの季節逆転アイテムや「ユニセックス衣装」などの男女逆転アイテムの流行を予想した。清水さんは「去年から今年にかけて流行している『インスタ映え』という言葉は、あと1年持つかどうか。今後も、消費者のニーズにしっかり合った商品を生み出していきたい」と意気込んだ。