今年話題になった言葉に贈られる「現代用語の基礎知識選 2017ユーキャン新語・流行語大賞」が1日発表され、都内ホテルで授賞式が行われた。ただ、受賞した著名人の欠席が目立ち、受賞・登壇者も一般人が多かった。

 「35億」で受賞したお笑い芸人ブルゾンちえみの欠席が伝えられると、会場からは大きなため息が漏れた。「ひふみん」で受賞の将棋棋士・加藤一二三も同様だった。

 若者の快挙が特別賞に選ばれ、陸上100メートルで日本人初の9秒台を達成した桐生祥秀(21)の記録「9・98」と、将棋界の連勝記録を更新した藤井聡太(15)の「29連勝」が受賞したがともに授賞式は欠席し、喜びのコメントを寄せて対応した。

 昨今、「授賞式に出席すると一発屋になる」というのが、ジンクスになってしまっている。近年、お笑い芸人のギャグが受賞すると、その後、それまでの勢いを維持できず、テレビへの出演回数が減るという事例が続いた経緯があるからだ。

 今回の欠席者はあくまでも仕事などで都合が付かなかったことが理由だが、授賞式の関係者は「芸能事務所の人間だったら、そんなジンクスを気にする人もいるかもしれない」とも語った。ただ、そんなジンクスすら吹き飛ばすような「連続して流行語を出せるような、お笑いの方が出てきてほしい」と期待した。

 また、一般人の受賞者が多いことについて事務局に聞くと「創り出して流行した『言葉』が少なく、ほとんどが社会現象としての『事象』が選ばれているから」と説明。「ドラマやテレビCMなどがパワーがあれば、もっと盛り上がる」と話し、社会現象ばかりではなく、意図的に創り出した言葉が来年以降、増えることを期待した。