東京・上野動物園で6月に生まれたジャイアントパンダ「シャンシャン(香香、雌)」と母親シンシンの一般公開が19日、同園で始まった。上野生まれのパンダの公開は、1988年(昭63)に誕生した雄のユウユウ以来、29年ぶり。観覧は抽選方式だったこともあり、大きな混乱もなく、初日はほぼ予定通り約2時間半の公開で終了した。シャンシャンは木登りをするなど愛くるしい姿を見せ、来園者からは「かわいい」「抱いてみたい」との歓声が上がった。

 年末には1日約50万人の来客者でにぎわう下町の台所、上野「アメ横」も盛り上がりを見せた。JR上野駅と御徒町駅をつなぐ高架下にある「アメ横ウェルカムモール」では正午から、同商店街の公認キャラ「ウェルモパンダ」がシャンシャンの金太郎あめ、ポストカードのセットを無料で配布。職員が「こちらのパンダには抽選はありません。写真撮り放題、握手し放題」と話しながら練り歩くと、あっという間に用意した1500個が無くなる人気ぶりだった。

 同商店街の堀内鉄雄代表理事(70)は「今年は暗い話題が多かったが、シャンシャンが誕生してくれて本当に良かった」と笑顔。この日から「公開記念半額セール」を始めた店も出るなど、約400店が集まるアメ横全体で新たなアイドルのデビューを祝福した。

 年が明けた1月6~8日には、上野公園の噴水広場で「こんにちはシャンシャンまつり」も開催。パンダに関するさまざまなイベントを用意する。上野観光連盟の茅野雅弘事務総長(58)は「上野で生まれた、待ちに待った赤ちゃん。まつりに向けても、町中が盛り上がっています」と話していた。