宮司の女性が先月に殺害されるなど、4人死傷事件の現場になった東京・富岡八幡宮では2日、参拝客の激減に関係者らが嘆きの声を上げた。例年の初詣時期には約15万人が訪れ、参道や境内はスムーズに歩けないほどの人でにぎわっていた。しかしこの日は、さい銭箱やおみくじに向かう長い列ができることは少なかった。

 神社の関係者は「正式な参拝者数は出していないが、かなり減っている」と明かした。境内で出店を構える男性(75)は「(参拝客は)半分以下になったと思う。売り上げも厳しいが、ゆっくり参拝したい人には良かったのでは」と前向きに話した。

 一方、近隣の深川不動堂には多くの参拝客が訪れた。夕方には、本殿に向かって約50メートルの行列ができていた。千葉県松戸市の男性(70)は「数十年前から毎年、どちらも参拝しているが、深川不動堂の人混みは例年通り。富岡八幡宮は、並ばずにさい銭ができて驚いた」と振り返った。