将棋界で初めて国民栄誉賞の受章が決定した羽生善治竜王(47)は、5日午後4時から東京・千駄ケ谷の将棋会館で記者会見を行った。

 紺のスーツに渋めの赤いネクタイで姿を見せた羽生は、「名誉ある賞を受章し、驚きと同時にうれしく思っている。長年の将棋界の歴史の積み重ねも評価された」と、喜びをかみしめた。

 囲碁の井山裕太7冠(28)との同時受章について、「井山さんが20歳のころから交流がある。現在進行形で囲碁の歴史を変えている棋士。同じ日にいただけたというのも、棋士として誇りになる」と話した。

 ちょうどこの日午前11時から将棋会館近くの鳩森八幡神社で行われた、「将棋堂祈願祭」に出席。その後、同会館で「指し初め式」に臨み、将棋棋士としての恒例の仕事始めをこなした。家族にはまだ報告していないという。

 96年3月に理恵夫人(元女優の畠田理恵さん)と結婚して20年以上。「長丁場で体力を使うので、食事の面で気をつけてもらうとか、タイトル戦で着る和服の準備とか、きめ細かく神経を使ってもらっているありがたい存在」と感謝した。

 棋士生活は30数年になるが、19歳で初タイトルとなる竜王を獲得して以来、通算99期(竜王7、名人9、王位18、王座24、棋王13、王将12、棋聖16)を獲得し、今もトップを走り続ける。「変化が速い世界で今の潮流に乗り損ねると取り残されてしまう。トップ集団につけて切磋琢磨(せっさたくま)し、その時の流行、最先端の物を取り入れながら、前に進む。失敗しても挑戦していく気持ちを忘れないでいたい」と、そのこつを明らかにした。

 現在1391勝563敗。タイトル通算100期獲得はもちろんだが、「当面は1400勝が当面の目標」と言う。その先には、故大山康晴十五世名人が持つ1433勝という史上最多勝利を上回るという大目標も控えている。