東京・銀座にある中央区立泰明（たいめい）小学校が、４月入学の新１年生分から、イタリアの高級ブランド「アルマーニ」デザインの制服を採用する方針を決めたことが８日、分かり、波紋を広げている。

　衆院予算委員会で希望の党の寺田学氏が、制服一式をそろえると男児は８万円、女児は８万５０００円になるとして「（学校制服のあり方として）どうなんだろうという実例」と指摘。普段、老舗テーラーでスーツを仕立てる麻生太郎財務相も「高けぇちゃ、高い。１人だけ買えない人が出ると難しい」と応じた。

　昨年１１月、和田利次校長名で配布された文書には「泰明小学校も銀座ブランド」「銀座の街のブランドと泰明ブランドが合わさった時（略）学校と、子どもらと街が一体化するのではないかと考えた」と記載されている。「身近なアイテムをきちんと装うことの大切さを感じることも、国際感覚の醸成につながる」「視覚から受ける刺激による『ビジュアルアイデンティティー』の育成は、服育の重要な教育の一環」という。アルマーニ以外のブランドには「受け止めてもらえなかった」という。同小は「アルマーニ銀座タワー」にも近い。

　現行の制服は男児が１万７７５５円、女児は１万９２７７円で、アルマーニの制服は約４倍。同小は８日、ホームページに校長名で文書を掲載。「これからの学校を思い決断した。説明が足りなかったことなどご指摘は謙虚に受け止め、丁寧に説明する」と記した。