東京・銀座にある中央区立泰明(たいめい)小学校が、4月入学の新1年生分からイタリアの高級ブランド「アルマーニ」デザインの標準服の導入を決め、保護者らから苦情が寄せられている問題で、同校の和田利次校長が9日、都内で記者会見を開いた。

 会見の主な一問一答は、以下の通り。

 -アルマーニ以外のメーカーとは、どことお話ししたのか?

 和田校長 銀座のバーバリー、シャネル、エルメス。それぞれ電話で相談した。百貨店の「松屋銀座」や「銀座三越」に対しても、入っているブランドと提携できないかという相談をしたが断られた。

 -時期は?

 和田校長 15年の夏から秋にかけて、それぞれお返事待ちながら。

 -結果的にアルマーニになった。校長とアルマーニの間に、何か特別な関係があるのではないかという指摘もあるが?

 和田校長 特別な関係はない。お話が進んでいったのがアルマーニだった。アルマーニのスーツは持っていない。ハンカチくらいは持っているかもしれないが。

 -学年や家庭で、服装に違いが出る。トラブルの種になりかねないのでは?

 和田校長 そういうことが考えられるのは想定している。そうならないように、「どちらも同じ泰明のものだ」と説明する。友達をばかにしたりしないよう、そこは徹底したい。

 -泰明小は、通学区域に関係なく就学できる、中央区特認校制度の指定校。だが、標準服が高いから行けないという家庭も出るのでは?

 和田校長 そこで本校を選べないようなことは避けたい。特認校の説明会で、相談に乗りたい。

 -相談とは?

 和田校長 私がお金を出すことは出来ないので、どういう制度があるか調べながらやっていきたい。また、例えば式典のときは「上着があれば、下は私服の半ズボンでも」のような。

 -そういった問題は、本当に解決出来ると考えているのか?

 和田校長 出来ると思っている。手だてはいくらでもあると思う。

 -そこまで服にこだわる必要性、理由は?

 和田校長 現行の標準服であれ、私服であれ、それを大事にすることに変わりはない。教育は内面だが、心構えなどが少しは変わるのではと考えている。

 -服装以外で、他に内面的な教育方法は考えられなかったのか?

 和田校長 泰明小に対して、街の方々は非常に協力的。街の教育支援を使った活動もたくさんしている。ただ、子どもやその保護者の方々の中には、その活動に対する意義を感じていない方が、増えていると思っている。