政府は13日夕、将棋界史上初の「永世7冠」を達成した羽生善治(47)と、囲碁で初めて7冠独占を2度果たした井山裕太(28)に、国民栄誉賞を授与した。

 首相官邸で行われた授賞式で、安倍晋三首相から羽生、井山の2人に賞状や盾、記念品が贈られた。

 羽生、井山ともに、紋付きはかま姿。羽生の長女、舞花さんも出席し、父の晴れ姿を見ていた。

 将棋、囲碁界では初めての受賞。首相は、2人が歴史に名を刻む偉業を達成したことをたたえた。記念品は、山梨県から採石された雨端硯(あまはたすずり)や熊野筆、両氏の七冠にちなみ七宝彩釉群鶴文硯箱(しっぽうさいゆうぐんかくもんすずりばこ)だった。

 羽生と井山もそれぞれ首相に「お返し」のプレゼントを持参。羽生は弘山(こうざん)作、水無瀬(みなせ)書の盛り上げ駒と二寸盤。井山は、現在ではほとんと枯渇してしまったという日向産の蛤(はまぐり)碁石と、萱(かや)製の基盤、碁石入れだった。井山の囲碁セットは正規品の約3分の1という特注品。首相は、羽生の横で将棋をうつまねをしたり、井山から碁石の説明を受けた。

 羽生、井山は式典後、都内で会見。羽生は「大きな励みとして、前向きに進んでいかなければならないという決意を感じた」と述べ、井山は「身に余る光栄。実感はまだ湧かないが、賞を機に少しでも成長していきたい」と感想を述べた。