「ノートを書きおわるまでが練習だよ」。

 平昌五輪(ピョンチャンオリンピック)でスピードスケートの日本女子史上初めて金メダルに輝いた小平奈緒(31)の中学高校時代の恩師、長野県宮田村の「宮田スケートクラブ」代表新谷純夫さん(68)が、その日の練習で分かったことや課題を毎日ノートに書くように勧めたのは、小平がクラブの門をたたいた中学1年の時。新谷さんは「そこが彼女のスタートだった」と振り返る。

 最初は1日1ページも書けなかったが、高校では技術的な内省も深まり、月に数冊に上った。どんなに疲れても必ず毎日、書く。中1からの習慣は18年以上たった今も続く。「誰にでもできることじゃなく彼女しかできないこと。続ける能力こそ彼女の一番いいところ。(金メダルは)その集大成になった。素晴らしいとしか言いようがない」とたたえた。