東京マラソンが行われた25日、折り返し地点すぐ近くの富岡八幡宮では、同神社御輿(みこし)総代連合会の氏子ら約300人が2基の御輿を担ぎ、ランナーを応援した。昨年12月の宮司殺害事件後、初めて町御輿が担がれた。

 事件直後ということもあり、今年初めまでは総代の話し合いでも「参加を見送るべき」という意見が出ていたという。同地で御輿を担いで40年になる幹事総代の男性(70)は「反対意見もあったが、まつりごとと事件は別。『活気を取り戻すためにも、やろう』となった」。

 この日は午前11時ごろに2基のみこしが登場。担ぎ手は「わっしょい! わっしょい!」と威勢の良い声を出し、ランナーにパワーを送った。神社前で友人の応援をしていた相模原市の阿久津博さん(68)は「みこしの活気もすごい。事件もあったが、盛り上がっている様子を見られて良かった」と話した。

 神社の関係者は「実際、事件があってから参拝客は減少した。このような盛り上がりは、大変有り難い。これから、1歩1歩というところです」と語った。

 連合会は、東京マラソン開催当時は有明のゴール地点でみこしを担ぎ、ランナーを迎えていた。昨年からは、コース変更で神社が折り返し地点のすぐ近くになったため、コース沿いからランナーを応援している。