小泉純一郎元首相(76)は7日、都内の日本外国特派員協会で会見し、北朝鮮の金正恩・朝鮮労働党委員長と文在黄・韓国大統領による南北首脳会談が決まったことについて、「経済制裁の圧力をかけたから、(北朝鮮が)話し合いに乗ってきた。圧力が成功したということだ」と指摘した。

 小泉氏は02年9月、日本の首相として初めて北朝鮮を訪問。金委員長の父、金正日氏と会談し、日本人拉致を認めさせた。「金委員長はまだ若く、先も長い。トランプ米大統領は何をするか分からず、(米国との)戦争は得策ではないと思ったのではないか」とも分析。その上で、日朝首脳会談実現の可能性に言及。「安倍晋三首相も、会う気持ちはあると思う。相手(正恩氏)次第だ」と述べた。

 一方、持論の「原発ゼロ」で国民運動を展開中の小泉氏は、「どんな世論調査でも、原発ゼロでいいとの答えが過半数。選挙の争点になれば、原発必要論者は少数派だ。今の政策を進めれば選挙で過半数は取れない。自民党がいつ気付くかだ」と指摘。立憲民主党などと連携した「原発ゼロ法案」の国会提出を目指しており、「法律で原発を規制するしかない。即時廃止、一切動かさないことが根幹。現実的な提案だ」と訴えた。【中山知子】