平昌(ピョンチャン)冬季パラリンピックのアルペンスキー女子回転座位で銀メダルを獲得した村岡桃佳(21)の祖母村岡君江さん(75)は18日、埼玉県深谷市の自宅でテレビ観戦。14日の大回転の金メダルに加え、冬季日本選手最多の1大会5個目のメダル獲得に「よく頑張ったねとしか、言葉が出ない」と涙ぐんだ。

 メダル4個を獲得してもなおも攻める滑りで体勢を崩しかけた時には「泣きそうになっちゃった」。堂々とインタビューに答える孫娘の姿に「話し方もしっかりして。いろいろなことを乗り越えてきたから。すごく大人になったんだねぇ」と孫娘をたたえた。

 村岡は4歳の時、横断性脊髄炎を発症した。君江さんは「神様が治してくれるから」と回復を祈ったが「奇跡は起こらなかった」。ふさぎがちになった村岡を父秀樹さん(48)が車いすスポーツに誘ったのが、村岡が小学2年の時。それからは「一緒にスーパーに行くとすごいスピードで走り回って。心配で心配で」と君江さん。

 近くの公園のランニングコースを周回したり、100メートル走のタイムを測ったり。秀樹さんも車いすに乗って一緒に競技に取り組み、君江さんは「息子も頑張ったかいがあったと思います」。笑顔で孫娘の帰りを待っている。【清水優】