13人が死亡、6000人以上が重軽症を負った1995年のオウム真理教による地下鉄サリン事件から23年となった20日、多数の被害が出た東京メトロ霞ケ関駅で、遺族や職員らが黙とう・献花した。

 霞ケ関駅助役だった夫一正さん(当時50)を亡くした高橋シズヱさん(71)は同駅で献花。一正さんに「また来たよ」と語り掛けたと明かした。13人の死刑囚の判決が1月に確定して初めての3月20日。「長い間裁判をやって、その結果の死刑判決。次の段階に入ったのだなと思う。法に従って粛々と(執行を)やってほしい」と述べた。事件の発生時刻に近い午前8時に黙とう。山村明義社長や霞ケ関駅務管区長の大友豊彦さん(57)らが献花した。事件では、松本智津夫死刑囚(63=教祖名麻原彰晃)の指示を受けた教団幹部らが都心を走る地下鉄5車両に猛毒のサリンをまいた。法務省は今月14~15日、死刑囚13人のうち7人を東京拘置所から名古屋、大阪両拘置所など5カ所に移送し分散収容した。移送は刑執行に向けた準備の一環の可能性がある。