昨年３月、千葉県松戸市の小学３年生、ベトナム国籍のレェ・ティ・ニャット・リンさん（当時９）が殺害された事件で、遺体発見から１年となる２６日、父親のレェ・アイン・ハオさん（３５）が同県我孫子市の遺体遺棄現場を訪れた。リンさんの友人から贈られたピンク色の花を手向け、目を閉じて手を合わせた。

　ハオさんは「たくさんの人から『もう１年ですね』と言われるが、私にとっては本当に長い１年だった。１日が１０年、１００年にも感じた」と語った。

　殺人や強制わいせつ致死などの罪で起訴された渋谷恭正被告（４６）の初公判は、６月４日に開かれる。ハオさんは「リンちゃんのためにも、これからの子どもたちのためにも、極刑を求めたい。私と同じような父親は見たくない」。

　渋谷被告は黙秘や供述拒否を続けており、真実は明らかになっていない。「リンちゃんに対して何をしたか、明確に話して認めてほしい」と硬い表情で話した。

　事件後に始めた極刑を求める署名活動では、日本やベトナムなどで、約１１６万人分が集まった。ハオさん自身がＪＲ柏駅前に立つこともあった。「みなさんの協力で、たくさんの署名が集まった。現在も続けているので、日本のみなさんもできれば協力してほしい」と呼び掛けた。