2020年東京オリンピック・パラリンピックの大会ボランティア問題が揺れている。3月に公表した募集要項案で「10日間以上活動でき、1日8時間程度」とした点をネット上などでは「ブラック」などと批判された。

 大会組織委員会は4月末、元々あったアドバイザリー会議が拡大し、ボランティア検討委員会の設置を決めた。今月21日に初会合、28日に第2回会合を開いた。子育て世代や地方居住者、障害者ら、拘束日数が長いほど参加が困難になる人もいることから日数について、委員から7日間以上との意見も出た。

 一方で、短くすれば経験度合いも減る。委員の1人は「ボランティアはチームでやっていくため日数とともにパフォーマンスも上がる」と話した。仮に「7日以上」と、日数を減らした場合、関係者は「運営計画自体に影響がある」と頭を悩ませる。至れり尽くせりのボランティアはどうなのかという議論もある。

 処遇についても、ボランティアの宿泊拠点と競技会場を行き来する交通費を支給すべきとの提言もなされた。仮に1日1000円支給した場合、8万人の大会ボランティアに10日間で計8億円となる。募集要項案には記されていないが、組織委はこの点について検討はしてきたという。

 この提言をもとに、組織委が7月公表予定の募集要項を検討するが、公表時期が8月以降にずれ込む可能性も示唆した。募集開始はこれまでの公表通り、9月中旬を目指すとした。