千葉県松戸市のベトナム国籍の小学3年生レェ・ティ・ニャット・リンさん(当時9)が殺害された事件でわいせつ目的略取・誘拐、強制わいせつ致死、殺人、死体遺棄の罪に問われた渋谷恭正被告(47)の裁判員裁判は今日18日、千葉地裁で開かれる第10回公判で論告求刑、最終弁論が行われ、結審する。

 渋谷被告は初公判で、「架空で捏造(ねつぞう)であり、私は一切事件に関与しておりません」として、無罪を主張している。

 裁判では、リンさんの遺体や渋谷被告の軽自動車内やキャンピングカー内の用品から検出されたDNAの採取、運搬、鑑定に関わった県警捜査員や科捜研研究員計10人らが証言。混入や汚染、取り違えの可能性が審理され、混入は全員が否定している。

 また昨年3月24日の事件当日の行動をめぐっては、検察側は、渋谷被告が同日朝、登校中のリンさんを略取誘拐、正午までに殺害し、午後は遺体や所持品が発見された現場付近を軽自動車で走行したとしている。渋谷被告は、当日は体調が悪く、朝の見守り活動には行かず、午後は車で魚釣りの下見に行ったとしている。