18日午前7時58分ごろ、大阪府北部で震度6弱の地震があり、4人が死亡、330人以上が負傷した。地震の規模はマグニチュード(M)6・1と推定される。大阪府で震度6弱を観測したのは観測態勢が整った1923年(大12)1月以降、初めて。

 大阪府北部で起きた地震について、複数の専門家は安土桃山時代の1599年に起きたM7・5の「慶長伏見地震」で知られる「有馬-高槻断層帯」が関係した可能性を指摘した。茨木市に住む岡田篤正京大名誉教授(変動地形学)は「いきなり地震が起き、食器が飛び出して壊れた。直下型ですぐ近くで起こったと分かった」とし、同断層が部分的にずれたとみており、「阪神大震災以来の大きな揺れだった」とした。

 同じ断層の関係の可能性を指摘する西村卓也京大准教授(測地学)は、「阪神大震災の影響かもしれない」とも指摘した。入倉孝次郎京大名誉教授(強震動地震学)は「観測データでは、小刻みな揺れが強かったようで、耐震性の低い木造住宅や鉄筋が十分入っていないブロック塀などに被害が集中したようだ」と話した。阪神・淡路大震災より、細かい揺れが特徴だという。

 政府の地震調査委員会は震源付近には活断層が集まっており、有馬-高槻断層帯のほか、生駒断層帯と上町断層帯の3つの関連が考えられるが、特定できないとした。

 気象庁によると、地震観測態勢が整った1923年以降、震度6以上の地震は全国で67回目の発生。揺れの強かった地域では、今後1週間ほどは同規模の地震が起こりえるとしている。近畿では19日夕方から雨で、20日は大雨の見通しで、「小雨でも土砂災害の恐れがある」と指摘した。南海トラフ巨大地震との関連は「直接影響を与えるとは考えにくい」とした。

 今回の地震では長周期地震動が大阪府北部や兵庫県東部、奈良県で観測された。最大「階級4」まであるレベルのうち、「物につかまらないと歩くことが難しい」という階級2だった。

 ◆慶長伏見地震 大阪北部を東西に走る「有馬-高槻断層帯」が震源とされる1596年発生の大地震。伏見城の天守や東寺などが倒壊し、死者は1000人を超えたと伝えられる。