安倍晋三首相が20日夜の会食で「もう集中審議は勘弁してほしい」と、国会軽視に受け取れるボヤキ発言をしたとされる問題が、大きな波紋を広げている。

 会食後、この発言を報道陣に紹介した自民党の河村建夫衆院予算委員長が21日、急きょ党本部に報道陣を集め、「勘弁」発言について「そういう言い方は一切なかった」と説明し、前日の発言を撤回。「『予算委員会よろしくね』という感じのあいさつがあった」と述べたが、意味合いの異なる言葉に変わっていた。

 通常国会は7月22日までの延長が決まり、首相出席の集中審議実施を求めている野党は、やる気がないような首相発言を受けて猛反発。「予算委開催を拒否するかのようで、とんでもない話」(立憲民主党の逢坂誠二政調会長代理)と、批判が拡大した。河村氏は首相と同じ山口県選出。野党の追及材料になりかねない発言だけに、火消しを急いだとみられる。

 20日夜は首相や河村氏、二階俊博自民党幹事長や麻生太郎財務相が、東京・銀座のステーキ店で会食。河村氏は会食後、首相が「(野党は)お手柔らかに。もう集中審議は勘弁してほしい」と漏らしたと、紹介していた。