史上最年少プロ棋士、藤井聡太七段(15)が25日、大阪市の関西将棋会館で指された第31期竜王戦決勝トーナメント(T)1回戦で都成竜馬五段(28)を104手で破り、羽生善治竜王(47)への挑戦者を決定する3番勝負進出まで、あと4勝に迫った。4月に高校進学後、負けなしの9連勝。公式戦通算成績は80勝12敗。

 終盤の落ち着いた指し回しでリードを広げた藤井は「あまり自信はなかったが、こちらの玉が寄りづらい形になり、勝てるのかな思った」と振り返った。

 同棋戦決勝T2回戦は29日に東京・千駄ケ谷「将棋会館」で指され、4組優勝の増田康宏六段(20)と対局する。「前期は2回戦で敗れてしまった。それよりは上に行けるように頑張りたい」と昨年度のリベンジを誓った。

 8大タイトル戦のうち、藤井が年内に挑戦者となる可能性があるのは王座戦、棋王戦、竜王戦の3棋戦だ。王座戦は挑戦者決定トーナメント準々決勝で、深浦康市九段を撃破。タイトル初挑戦までマジック「2」としている。

 最年少タイトル獲得記録は屋敷伸之九段が持つ18歳6カ月。最年少タイトル挑戦記録も屋敷の17歳10カ月。本年度中に藤井が挑戦、獲得となれば大幅に更新することになる。