第159回芥川賞・直木賞の選考会が18日、都内で行われ、芥川賞は高橋弘希氏(38)の「送り火」(文学界5月号)、直木賞は島本理生氏(35)の「ファーストラヴ」(文芸春秋)が受賞した。

 選考会後の会見で最も質問が飛んだのは、芥川賞候補の北条裕子氏(32)の「美しい顔」についてだった。東日本大震災被災者の手記などとの類似表現が見つかり、流用疑惑に発展した。選考委員の島田雅彦氏は「法的な問題はないというのが選考委員の共通した認識だが、フィクションとして昇華していく努力が足りなかったのでないか」と話した。9人の選考委員の評価は△が4人、×が5人で、○を付けた人はゼロだったという。