第196通常国会は20日夜、22日までの会期を前に事実上閉会した。自民党の小泉進次郎筆頭副幹事長(37)は国会内で報道陣の取材に応じ、自身が主導した国会改革、自民党総裁選、自身のことなどについて、約30分、語った。主な一問一答は次の通り。

   ◆  ◆  ◆

-今国会を振り返って

 進次郎氏 「国会改革国会」というふうに冒頭に言って、最終日に国会改革の提言を、超党派の実現会議で衆院議長や議院運営委員長に提出した。改革実現の道のりに向けて、一歩動いたなと。国会が始まった時に思い描いた以上の、うねりが生まれた国会だった。国会改革をしなければならないという思いはあったけれど、実際に超党派の思いが広がるとは想定していなかったし、実現会議に出席できなかったとはいえ、立憲民主党からも、国会改革の提言が出てきた。国会改革という言葉は、日本の政治がやらないといけないアジェンダセッティングとして、間違いなく位置づけられた。これはすごく大きなことだ。

 形にするには議院運営委員会を動かさないといけない。議運が動けば、国会は動く。申し入れの時に聞いたのは、今日の理事会で、来年度、国会のIT化の予算が(調査費として)計上される方向になったと。まさに形になったのです。何しろ、(過去に)7党の与野党合意があっても動かなかったのに、調査費という形でも予算が計上される。これは大きな一歩ですよね。動いてよかったと思うし、さらに前に進めるためには、次の国会が大事。今国会を振り返るより、次の国会を見ているという気持ちの方が、今は大きいですね。

 今国会は、助けられましたね。いろんな方に。私はこれからの時代、「ひとりのリーダーが変えていく時代ではなく、チームで変える時代」と言っている。この国会では本当に多くの提言を出した。農業輸出、地方創生、党改革、宇宙ごみ、実現会議、自民党の若手とやった構想会議。提言をまとめる過程で、本当にいろんな人の助けがなければ何もできなかった。よき先輩、後輩、党職員、官僚、民間のサポーターの方、ときに、マスコミの皆さんの発信力。いろんな力が結集できたおかげで、自分の中では形になったものが多い。そう考えると、「国会改革国会」と言うより、「自己改革の国会」に近いね。自分を変える。通常国会初日に「脱皮」という言葉を使ったが、そういう部分を意識した国会だった

-どこまで脱皮したか

 進次郎氏 本当の脱皮は、自分では、はかれないんでしょうね。自分がどう変わったかというより、人がどう見るか。政治の世界はね、何をやっても何か言われるし、やらなくても言われる。だからこそ、自分の中で大切にすることを持ちながら、あいつは変わってきたな、脱皮してきたなと思ってもらえるよう、1つ1つの行動を考えながらやっていきたい

-今国会、自民党にも安倍政権にも、厳しい、停滞する局面が何回かあった

 進次郎氏 さまざま、問われていることが多い時代だということをあらためて認識した。国会の中で起きたさまざまな事柄に対する問題意識もあるし、国会の外では、北朝鮮をめぐるあれだけ大胆な外交攻勢。秩序が急速に変化している。米国も変化し、中国の加速度的な変化もある中、国会の中だけ見ていると誤るし、外の変化も合わせてめまぐるしく動いた。

 西日本の豪雨災害も起きた。私にとって、東日本大震災が自分の政治家の原点。今回の豪雨災害は、今までの日本の雨への認識や、災害に対する向き合い方について、来年で平成が終わる中、今までと同じ発想ではいけない、平成と同じ守り方では、国民の暮らしや命を守れない。そういう大きな問いを投げているのではないか。国内でも、国会の外で起きている環境の変化がある。もう少し時間をかけてこの国会を総括し、次の国会、これからの日本に向け、今年上半期が何を問うか、しっかり考えたい。(2に続く)