将棋の史上最年少プロ、藤井聡太七段(16)が「2冠」を達成した。9日にインターネットテレビ局「Abema(アベマ)TV」で放送された、オリジナル対局企画「AbemaTVトーナメント Inspired by羽生善治」決勝で佐々木勇気六段(24)を下し、非公式戦ながら初代王者に輝いた。今年2月には朝日杯で公式戦初制覇を果たしており、それ以来の頂点に立った。

Aブロック予選からスタートして藤井は、近藤誠也五段(21)、橋本崇載八段(35)を下し、8人による決勝トーナメントに進出。1回戦で増田康宏六段(20)、準決勝で高見泰地叡王(25)を下した。決勝では、昨年公式戦30連勝を止められた佐々木六段に雪辱を果たした。

この企画、持ち時間は各5分で始まり、1手指すと5秒加わる早指し戦。羽生善治竜王(47)の発案で、チェスの対局方式を採用した。

「短い時間で戦うなかで、決断力が磨かれた。今後に生かしたい」と、藤井はうれしそうだった。