地震による液状化現象で道路などが陥没した札幌市清田区の里塚地区では、傾いた自宅に住めなくなった住民らが荷物整理に追われた。市は8日までに、同地区の住宅288世帯の調査を行い、危険度を3段階で評価。傾斜や損傷が激しく「危険」と判断した住宅は62世帯、「要注意」とした住宅は43世帯に上る。

自宅が「危険」と判定された50代女性は、市が来年3月末まで無料提供する市営住宅への移住が決まり、生活用品などを車に運んだ。「危険」と判定された家は一区画に偏っており「少し前から家の外壁の横にある土が沈み込んだり、マンホールが突き出したり、兆候はあった。分譲で売っていた地域だが、地盤は大丈夫だったのか」と憤りも口にした。

自宅が「問題なし」と判定された60代男性は「家が傾いているみたいで、少し頭が痛くなったから病院に行ってきた。この辺りはみんな平らな道だったんだよ」と、変わり果てた町を見ながらつぶやいた。【松尾幸之介】