スポーツ団体の不祥事が相次ぐ事態を受け、超党派の国会議員からなるスポーツ議員連盟が設置する有識者会議の委員に、ジャカルタで開催されたアジア大会で日本選手団の団長を務めた山下泰裕氏(61)らが入ることが13日、関係者への取材で分かった。同会議は18日に初会合を開く。

山下氏は84年ロサンゼルス五輪の柔道金メダリストで全日本柔道連盟会長、日本オリンピック委員会(JOC)の常務理事を務める。アジア大会でバスケットボール男子代表の4選手が買春問題を起こした際、団長として会見を開き、すみやかに事実を認め、謝罪した。

他にはJOC理事やスポーツ庁参与を務める山口香氏、日本スポーツ協会常務理事のヨーコ・ゼッターランド氏、東大理事の境田正樹弁護士、東大アメフト部の三沢英生監督らも入る。

境田氏は、日本スポーツ振興センター内に暴力行為等に関する第三者相談窓口の設置などに携わった。三沢氏は先の日大アメフト部危険タックル問題の際、関東学連監督会の一員としてスポーツ団体のガバナンス(組織統治)強化を強く訴えた。

有識者会議は議連のスポーツ・インテグリティ(高潔性)の体制整備の在り方検討プロジェクトチーム(PT)内に設置される。スポーツ団体の不祥事が相次ぐ中、スポーツ庁に同団体への調査・指導権限がないことから、権限強化のための法改正も含めた具体案を話し合う。PTは11月末までに提言を取りまとめ、同庁などに提出する予定。