安倍晋三首相は14日、都内の日本記者クラブで行われた自民党総裁選の候補者討論会で記者の質問を受け、財務省の文書改ざん問題を受けても麻生太郎財務相を続投させた判断を、厳しくただされた。

「麻生さんは責任を取らず、役人は処分して責任を取った。なぜ麻生さんを辞めさせなかったのか」と問われた首相は、「(麻生氏に)管理責任はあったと思う」と認めながらも、「その中で財務省を立て直していけるのは、麻生さんしかいないと考えた」と主張。「デフレから脱却しなくてはならない大事業に取り組んでおり、成し遂げることができた。市場の信頼も得ているので、今替えるわけにはいかない」と述べた。

その上で、「大きな判断をしないといけない。当然、批判はあると思うが、覚悟の上で、麻生さんとともに乗り切っていこうと決意した」と述べ、強い絆をにじませた。

一方、石破氏は、森友学園に関する決裁文書改ざんをめぐり、近畿財務局の職員が自殺に追い込まれたことに言及。「ご家族も、将来もありながら、なぜ命を絶たれたのか。そのことは真摯(しんし)に受け止めないといけない。働いている1人1人を大事にするとは、そういうことだと思います」と指摘した。