自民党総裁選(9月20日)に立候補している安倍晋三首相と石破茂元幹事長は16日夜、東京・六本木のニコファーレで行われたネット討論会に出席し、普段はあまり語ることがない「相手のすごいと思うところ」について、それぞれ語った。

首相は、石破氏の演説力を挙げ「6年前も一緒に演説したが、聴衆をぐぐっと引きつける魅力がある。その場で『石破ワールド』をつくれる。政治家にとっては、相手の心を揺さぶるのが基本。私にもできればなあと思う」と語った。「本当に勉強熱心。本を読み知識が豊富」とも語った。

一方、石破氏は「安倍総裁のすごいところは、強靱(きょうじん)な意志」と述べ、「議員になって33年で19人の総理をみてきたが、6年総理が務まるというのは、強靱(きょうじん)な意志がないとできない」「日本でいちばん大変な仕事をしている。苦しみも悲しみもあるだろうが、総理という激職がこれだけ務まる。掛け値なしに、尊敬に値する」と話した。「首相は、いろんな意見があっても自分の意見を述べる。自分の考えはこうだと示す。これは私にはない」とも指摘した。

企画の最後に「言い足りないこと」と求められると、石破氏は「こういう機会が(もっと)ほしい。できれば、ニコ生を通じて党首討論が行われれば、どんどん国民にも理解が深まる。討論の場がもっと行われ、主権者と一緒に日本をつくりたい」と主張。石破氏は、総裁選でも討論の機会が少ないことに疑問を示している。

一方、首相は石破氏の主張には触れず、あらためて持論の憲法改正の必要性を訴えた。