自民党総裁選は20日投開票され、安倍晋三首相が石破茂元幹事長を破り、連続3選を決めた。対応が注目されていた小泉進次郎筆頭副幹事長は報道陣に、石破氏に投票したことを明かした。党内に多様な意見があることを示したかったとの思いからだという。進次郎氏はその背景について、報道陣の取材に語った。一問一答は以下の通り

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-今後は、どういう役割を

進次郎氏 私みたいに、あまり自由がないと、自由の価値って分かるんです。だから自由民主党。自由って大事、多様な生き方、1人1人に合った生き方をどう政治が実現するか。社会保障の改革もしかり。先日、ニュージーランドに行きましたが、38歳の女性総理、在任期間中に産休、相手は(夫ではなく)パートナー。結婚の種類は3種類。日本は1種類ですよね。いろんなありかたがあっていいですよという、多様な社会にしたい。そういう多様な声があるということを、いろんな場で言っていきたい。

-従来の派閥の論理が効いていたら、もっと差が開いて良かった。従来ほど締め付けがきいていない。今後の政治のあり方をどう展望するか

進次郎氏 安倍氏は、派閥がどうだからといって(誰を)大臣に、という発想はないと思う。だから斎藤さんを農相に指名した。私は、斎藤さんが部会長を務めた後に農林部会長をやったが、斎藤さんが部会長でないと農協改革はできなかった。誰もが認める本当な優秀な方。そういう方を大臣に任命することは、総理も派閥の論理を超えていると思う。私は派閥には入っていないので、その中で派閥どうこうと言うつもりはない。時代とともに、派閥の形も変わる。私自身、派閥=悪とは思っていない。思いを共有できる人が同じ組織にいれば仲間をつくるのは当たり前。私は、派閥とは、この人を総理にしたいと思うからできたもので、そのその人を支えるチームだと思う。これからどうなるかわからないが、今回の戦いでいえば、安倍陣営の、チャンピオンなのに常にチャレンジャーのように徹底的にやるというのは、戦に臨む姿勢としては敬意を表するに値すると思う。

-悩んだか

進次郎氏 政治の世界で、まったく悩まない人がいたら聞いてみたい。だけど不思議とね、悩んだ後に、ぱっと開ける瞬間がある。演説と同じ。何を訴えればいいか悩み考えていても、ある瞬間、ぱっと開けることがある。今回は頭の中で、日々の熟考が、自分の中ではたらいてくれた。いろんな人の動き、多くのものも見えました。

-(判断を下す上で)ご自身の今後が、頭をよぎることはなかったか

進次郎氏 ないですね。今回、いろんな臆測が飛んで、私は「情報戦」と言ったが、そういうことも含めて、総合的にどのタイミングで自分の立ち位置を明らかにするか。すべてのことをひっくるめた判断です。