自民党総裁選は20日投開票され、安倍晋三首相が石破茂元幹事長を破り、連続3選を決めた。対応が注目されていた小泉進次郎筆頭副幹事長は報道陣に、石破氏に投票したことを明かした。党内に多様な意見があることを示したかったとの思いからだという。進次郎氏はその背景について、報道陣の取材に語った。一問一答は以下の通り

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-今回の石破氏の得票数(首相の553票に対して254票)は、今後に影響するか

進次郎氏 それはわかりません。ただ、今回、なぜ石破さんに入れたかというと、実は私の地元。神奈川で20人自民党の国会議員がいるが、事前に新聞で、19人が安倍首相支持だと。私だけ、未定だった。1人くらい違ってもいいだろうとそういう思いもあった。

-何か、今後に影響が出るか

進次郎氏 わかりません。そういう立ち位置を示すことが大事だと思ったので、投票に臨むに当たって、石破さんに投票するという思いを言うべきだという判断。地元の有権者や党員にも、責任があると思った。しかるべき人には事前にお伝えした。そんな中、神奈川は、19人対1人の(構図)中で、2万対1万3000(の票数)は意外だった。

-人事を受ける用意があるか

進次郎氏 いや、そこについては、話はまったくないですから。受ける、受けないを言うのはおこがましい。何に自分が思いをもって当たっていくか、しっかり考えます。

-党内は団結していく

進次郎氏 それは間違いない。今日の総裁のあいさつ冒頭で、石破さんへのねぎらいがあった。まさにそのあらわれだ。だからこそ、真のNO SIDEになるため、活発な政策論争が行われ、いろんな声があったが、最後はまとまるという自民党の文化ともいえるものに、さらに磨きをかけていく。

そうすれば、NO SIDEと、NO NOISE(ノイズ)は別。自民党だけではなく、企業や皆さんの会社も含め、組織に大事なことだ。

-この6年間、実際、ものを言いにくい雰囲気を感じてきたか

進次郎氏 ものを言いにくいか、言いにくくないかといえば、言いにくくても言うのが政治家。言いにくいから言わなくなったら、終わりでしょう。

ただ、率直に言えば、私が違う考えがあると言った時に、「後ろから弾を撃っている」とか、そういったことに全部が表されるのは本意ではない。そうでなく。むしろ違うことを、論争の質を上げていくための推進力に変えていく。違いを課題解決の推進力に変えられるところでないといけないと思う。

-地元にはいつ連絡を

進次郎氏 事前に、です。

-地元のことをどう分析するか

進次郎氏 19人が安倍総裁支持。これはひとりくらい違っていいという思いはあった。単純でいえば、1対19という差が出てもおかしくないが、神奈川の党員・党友票は、2万対1万3000。驚いた。だけど、地元で聞く声と近い、ということはあった。いろんな声があって当然。自民党はいろんな声を飲み込む、節操ないといわれるが、現実主義に基づき、それすらみんながうなってしまうような。日本は、そんな多様な時代に突入する。

違っていいじゃないですか。(8日の)講演で、飲み会でとりあえずビールを言わなくなったと言いました。みんなが生ビールを頼むので、本当に好きなものを飲んでほしいから、わたしはハイボールにしましたと言ったが、そういうことです。(3に続く)