自民党総裁選は20日、投開票され、安倍晋三首相(64)が石破茂元幹事長(61)を破り、3選を決めた。

「現政権に対する評価の総裁選。1強と言われる中で決してそうではないということを示せた。大きな意味があった」。戦いを終えた石破氏はそう語った。

長期政権の現職首相を相手に、議員票は50票前後と見込まれていた。計200票で存在感を示せるとされたが、73人の国会議員が石破氏に投票。総数は254票と健闘した。想像以上の得票に、陣営からは「冷や飯」どころか、「斎藤健農相は続投で、石破派から入閣者を出さざるを得ないだろう」との声も上がっている。

「圧力問題」については「強い者が弱い者に圧力を加える世の中であってはならない」とあらためて主張。「学問やスポーツの分野から、自民党を見習おうと言ってもらえるようになることが大事」と訴えた。

党総裁選での善戦を踏まえ、首相から入閣要請があっても応じない考えをにじませた。「党内に、私を支持してくれた方の中に有能な方々がいっぱいいる。首相はそこをご判断になると思う」と話した。

自身が強調する「地方創生」に安倍氏はあいさつで触れなかったが、「地方を軽んずることがあれば、同志とともに異を唱える」と力を込めた。党員票で約45%の支持を得た。ポスト安倍に向けて、今後の行動が試される。【清水優】