新潮社の佐藤隆信社長が、同社発行の月刊誌「新潮45」10月号に掲載された、性的少数者(LGBT)を「生産性がない」と表現した自民党の杉田水脈(みお)衆院議員を擁護する特集について、「あまりに常識を逸脱した偏見と認識不足に満ちた表現が見受けられました」との見解を示した。

佐藤社長は21日、公式サイトに「『新潮45』2018年10月号特別企画について」と題した文書を掲載。「弊社は出版に携わるものとして、言論の自由、表現の自由、意見の多様性、編集権の独立の重要性などを十分に認識し、尊重してまいりました。しかし、今回の「新潮45」の特別企画「そんなにおかしいか『杉田水脈』論文」のある部分に関しては、それらに鑑みても、あまりに常識を逸脱した偏見と認識不足に満ちた表現が見受けられました。差別やマイノリティーの問題は文学でも大きなテーマです。文芸出版社である新潮社122年の歴史はそれらとともに育まれてきたといっても過言ではありません。弊社は今後とも、差別的な表現には十分に配慮する所存です」とした。