政務活動費約690万円をだまし取ったとして詐欺罪に問われた元神戸市議の橋本健被告(38)の初公判が21日、神戸地裁で開かれた。同被告は「間違いありません」と起訴内容を認め、涙を流した。昨年、女性ボーカルグループ「SPEED」メンバーで自民党の今井絵理子参院議員(35)との不倫疑惑と、不正受給問題が発覚。昨年8月に市議を辞職してからは公の場に姿を見せていなかった。

検察側は交通費や飲食代にとどまらず、キャバクラやゴルフなどの私的利用があったと指摘。頻繁にキャバクラに通い、水着姿の女性店員に接客を受けていたことも明かされた。小声で受け答えをしていた橋本被告は裁判長らから「大きな声で」と何度も促され「自由に使うお金を手に入れる都合のいい制度だと思った」と話した。

「申し訳ない」と法廷で涙を流した橋本被告は、閉廷後は報道陣にはコメントしなかった。検察側は懲役1年6月を求刑し、即日結審。判決は10月29日に言い渡される。