2020年東京オリンピック(五輪)・パラリンピックの警備強化のため大会組織委員会と警視庁が28日、東京・青海で初の合同訓練を行った。両団体に加え、組織委のスポンサーであるセコム、ALSOKなどが参加し、2日間で述べ2000人が訓練を実施した。

暑さ対策のため、観客の入場待機時間を20分間とする目標を掲げている東京大会。工夫の一環として、大きな荷物はエックス線検査で中身をチェックするが、小さな荷物は警備員がバッグを開けて中身をチェックするのみとし、効率化を図った。

スマートフォンなどの金属製品がポケットに入ったままでは金属探知機に反応し、スムーズな入場の妨げになるため、事前に金属製品を入れるポリ袋を手渡す取り組みも行った。

暑さ対策のため最近の大会では禁止されていた飲料の会場持ち込みも現在、検討中。許可した場合、空港などで行われている内容物検査は時間がかかってしまうため、導入はしない予定。その代わりに、持ち主に実際に飲んでもらうなどの対応を検討している。

顔認証システムの実証実験も実施。全競技会場で全関係者に対して顔認証を導入するのは五輪史上初となる。

組織委の岩下剛警備局長は「時間など想定を上回る成果が出た。少しでも速いセキュリティーチェックを今後も研究、追及していきたい。観客の皆さんには、手荷物が少ない方が入場が速くなることを広報していきたい」と話した。

警視庁との合同訓練では緊急事態訓練を行った。刃物を持った不審者を警察官と警察犬が確保し、偽造身分証で会場への侵入を図った男が爆発物とみられる物を残して逃走した場面では、爆発物処理班が出動し、対応した。【三須一紀】