豊洲市場(東京都江東区)協会の伊藤裕康会長が16日、日本外国特派員協会(千代田区)で会見を行い、現在も移転反対を訴え、築地市場(中央区)で活動する一部業者について「都が話し合ってほしい」と、東京都に対応を委ねた。

海外メディアが反対派について聞くと、90年に神田青果市場が大田市場に移転した事例を挙げ「当時も同じことが起き、多くの人が神田に残った。築地はそこまで大勢ではない。彼らの意志もよく確かめた上で、築地再開発を考えてほしい」と述べた。反対派との議論は十分だったかと問われ「十分出来たとは言えない」とも語った。築地再開発の具体案は、現時点で決まっていない。

土壌汚染や地下水問題について「会長の立場で安全と言ってほしい」との質問には、「知事や専門家から安全と聞いているので、安全を信じている」と述べ、自らの言葉では断言しなかった。11日に開業した豊洲市場については「船出としては順調だった」と評価。築地で反対運動をしているのは一部とし、「我々大多数は、豊洲に夢と希望を持っている」と力強く語った。【三須一紀】