東京都の小池百合子知事は19日の会見で、19年度税制改正の焦点である地方法人課税をめぐり、大都市に集中する税収を地方に振り分け格差を是正すべきだとの提言案をまとめた全国知事会を痛烈に批判した。「こと税財政の面では、全国知事会とのつきあい方を考えないといけない」と踏み込み、強くけん制した。

国が進める都と地方の格差是正措置を「偏在是正措置」と指摘。都は減収となるため、あらためて反対姿勢を強調した。提言書に都の意見は盛り込まれず、大都市の意見を盛り込むよう求めたところ、「『加筆が実現したので、東京都は賛意を示した』と意図的に解釈された。各所にフェイクニュースが広まっている」と指摘。都道府県全体が是正策を容認しているとの誤解を招くと怒りをにじませ、「やり方が極めて一方的だ。深い憂慮を感じる」と訴えた。

さらに「大都市の意見も公平に扱わないといけない。地方分権の基本を失いつつある」とも指摘。「パイの食い合いで東京の力が弱まることが、日本全体にいいことなのか。それで地方が元気になればいいが、これまで6兆円、東京は地方に税を提供したのに、効果は一体何なのか」と、疑問を呈した。政府与党は、都市の税収を地方に振り向ける方向で具体策を検討している。【中山知子】