内戦下のシリアで2015年6月に拘束され、約3年4カ月ぶりに解放され、帰国したジャーナリスト安田純平さん(44)が2日午前、東京都千代田区の日本記者クラブで帰国後、初めて記者会見を開いた。

安田さんは会見の冒頭で「解放に向けて、ご尽力いただいた皆様におわびいたしますとともに感謝いたします。ありがとうございました。私自身の行動に日本政府が当事者となってしまったことを申し訳なく思います。拘束から解放までの経緯を説明させていただきます」と謝罪した。

安田さんは2015年5月に取材を始めたと説明した。取材の目的としては「絶対的な権力がない中で、人々の地域社会がどのように安定しているのか…イスラムが安定に寄与しているだろうと思った。(中略)外国人義勇兵が集まっていた。そういった人々がどうした事情で戦闘区域に、どういう理想でやって来たのか? 彼らの元々の国に問題があるのかを広げれば、これからの世界を見るのに参考になるのではと思った」などと説明した。

また、取材を進めるうちにシリアの反政府組織から「イスラム国」(IS)に関する資料を入手し「これまで表に出ていなかっただろう」と思ったとも語った。資料については「家族構成、給料が違う、それぞれの月の予定表など、ならずものではなく国家を構成していることがうかがえ、取材を進めようと思った」と、ISの詳細な内情がつづられた資料に強い関心を持ったと明かした。【村上幸将】