シリアで2015年6月に拘束され、3年4カ月ぶりに帰国したフリージャーナリスト安田純平氏(44)が2日、東京の日本記者クラブで初の記者会見を開いた。

<安田さん会見要旨>

◆シリア入国の経緯 日本人の知人から紹介された、シリア難民の小学校を運営するシリア人がきっかけ。後藤健二さんのガイドをしていた人物で、彼がシリア側に入って様子を見ている中、別の方向から来たシリア人の2人組が「シリアに行こう」と話しかけてきた。全然、話が違うと思った。おかしいと思いながら歩き続けてしまった。

◆拘束中の生活 (拘束当初)ゲスト扱いだった時は部屋にテレビがあった。1日6時間、長い時には10時間、電気もついて見ることが出来た。部屋の中にはトイレがなかったが、1日2回、食事を運んでくる時にトイレを済ませていた。

◆食事 鶏肉や日によってはシリアのスイーツを持ってきた。ピザのようなトルコ料理「ラフマジョン」を、トルコの新聞に包んで持ってきたこともある。

◆身動きできないゲーム 頭の向きを変える音などをずっと聞いていて、話を盗み聞きするためだと電気を消され、電気を点滅されたり消したりされた。ドアの小窓にカメラを置き、隙間から撮り、ドアに50センチ以上、近づいてはいけないルールも設定された。1・5メートル、幅1メートルの中にいなければいけず、ひざを曲げた、くの字状態で身動きできない。寝っ転がった状態で、指が動かないようにずっとしていた。始まったのは16年8月から。エスカレートして10、11月から身動きが取れなくなり、水浴びも一切なしになった。