桜田義孝五輪相(68)は6日、閣議後の会見で、前日の参院予算委員会で大臣として初答弁した感想を問われ「質問の事前通告がなく、何にもよく分からない中で、残念な議会だなというイメージ」と述べた。立憲民主党の蓮舫参院幹事長から20年東京大会の大会ビジョンなどを聞かれたが、即答できず、官僚の原稿に頼ることが目立っていた。

大会ビジョンや基本コンセプトは大会の根幹であり「事前通告がないと答えられない内容か」と問われても「丁寧に答えるにはそうだ。何を質問するか分からないのは困ったなということ」と話した。今後の通告なしの質問については「承知している範囲内では真摯(しんし)に答えたい」としたが「通告があれば、丁寧な答弁ができる。議論の質を高めるためにもその方が良い」とあらためて通告を求めた。

一方、蓮舫氏はこの日、オリンピック予算について質問通告していると反論。大会ビジョン自体は通告していなかったが、それらは予算建ての根拠という考え方だった。関係者は「全部1つ1つ通告して、議会を儀式にするのか…」とあきれた様子だった。

前夜からこの日にかけて、テレビの報道番組やワイドショーで参院予算委の場面が繰り返し流れたが、桜田氏は「見ていない。気にしないようにしている」と述べた。【三須一紀】