年末の風物詩「現代用語の基礎知識選 2018ユーキャン新語・流行語大賞」が3日、都内で発表され、NHKのクイズバラエティー番組「チコちゃんに叱られる!」(金曜午後7時57分、再放送土曜午前8時15分)で、5歳の少女チコちゃんの決めぜりふ「ボーっと生きてんじゃねーよ!」がトップテンに選ばれた。

「チコちゃんに叱られる!」は、「好奇心旺盛でなんでも知っている5歳」のチコちゃんが、ナインティナイン岡村隆史ら大人の回答者に素朴な疑問を投げ掛け、大答えに窮した際に言い放つ言葉。この言葉などが人気を呼び、17年に単発番組が3回、放送された後、18年4月からレギュラー化された。

選考委員で女優の室井滋は「今年は平昌五輪(ピョンチャンオリンピック)、FIFAワールドカップ、そして100回目の夏の甲子園大会とスポーツ界が華々しい一年だった。それゆえ人々が注目した言葉も例年より集中した感じだ」と、スポーツ関連のワードが注目された年だと評した。

一方で「しかしながらキラリ輝く選手達の活躍の一方で、スポーツ界のパワハラ問題も次から次へと露見してしまった」と、スポーツ界で次々、発生したパワハラ問題に首をかしげた。その上で「あきれた失態に“ボーっと生きてんじゃねーよ!”とチコちゃんやスーパーボランティアの尾畠春夫さんに叱ってもらいたい気分だった」とチコちゃんにスポーツ界も叱って欲しいという本音を吐露した。

総評でも「5歳というと『なぜ?』『どうして?』といちいち質問してくるお年頃。そんな子どもにきちんと正しく説明できたことがこれまであっただろうか。このごまかし続けてきた大人の怠慢を正すべく、チコちゃんは5歳児代表として素朴な疑問をぶっつけ、浅い回答でお茶をにごそうとする大人に活を入れるのだ」と番組を紹介。

その上で「スピード重視の昨今、ネットニュースだ、やれSNSだであふれかえり、どんな疑問も『OK Google』と問えば数秒で答えを教えてくれる便利さにどっぷりと漬かって毎日を送っている人、チコちゃんに「ボーっと生きてんじゃねーよ!」と一喝してもらわねばなるまい」と、チコちゃんの活に期待を寄せた。