昨年12月のノーベル平和賞授賞式で被爆者として初めて演説したカナダ在住のサーロー節子さん(86)が6日、首相官邸で西村康稔官房副長官と面会した。サーローさんは安倍首相との面会を求めていたが、「日程の都合」(菅官房長官)で西村氏に。首相との面会がかなわなかったことについてサーローさんは「違った意見の人にも会って語り続けるのが本当のリーダーシップではないか」と残念そうに語った。

日本が核兵器禁止条約に署名していないことに「被爆国の日本がいまだに賛同していないことに胸がつぶれる思いだ」と話すサーローさんは、条約への署名を求め、西村氏に要望書を手渡した。この日、国連総会では各国に署名と批准を促す決議案が提出され、126カ国が賛成して初めて採択されたが、日本は核の傘を提供する米国に忖度(そんたく)し、反対した。